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教職大学院

教育実践力開発コース

( 特別支援教育分野 )

 

 三重大学大学院教育学研究科では、令和3年度から2つの専攻(教育科学専攻・教職実践高度化専攻)を統合し、新しい形での教職実践高度化専攻(教職大学院)に一本化しました。教職大学院は、三重県における喫緊の教育課題に取り組むため、学校を変える推進者としてのスクールリーダー及び将来的に地域教育を支えるミドルリーダーとなる資質・力量のある新人教員を養成することを目的としています。

 「学校経営力開発コース」(経営力開発分野・学習開発分野)と「教育実践力開発コース」(教科教育高度化分野・特別支援教育分野)の2コースから構成されており、特別支援教育分野では、現職教員の方および学部新卒者等を対象とし、​特別支援教育に関する高度な専門性を持つ人材を育成します。

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特別支援教育分野の特色

  • 特別支援学校の運営や、学校間連携、教育と医療、福祉、労働等との連携に関する高度な専門性を身につけることができます。

  • 特別な支援を必要とする幼児児童生徒やその保護者に対して、個人と環境の相互関係の視点に基づいた適切な支援を行うことのできる力を培うとともに、多様性を認め合 い、共生社会の実現に向けたインクルーシブ教育のあり方について探究することがで きます。

 より詳細な情報(教職大学院案内や入試情報)については、三重大学教職大学院ホームページをご確認ください。

修了生の声

(Kさん)

 大学を卒業後、三重県内の特別支援学校の教諭として勤務していた時に、三重県教育委員会から現職派遣のお話を頂き、平成26年度から2年間、現職派遣の大学院生として三重大学大学院教育学研究科で学ばせていただきました。教職歴も15年の歳月が過ぎた時で、学校現場にも慣れ、授業や学級運営のノウハウも蓄積されてきた時期でしたが、日々教育実践しながら何かが足りないという思いは拭いきれずにいました。それは、自分自身の実務経験を踏まえて教育実践を行ってきましたが、学問的なバックボーンと様々な視点からの分析を踏まえた教育実践の必要性を強く感じたからでした。
 この2年間、本学大学院では多くを学び、充実した時間を過ごしました。大学院では、自分の研究をするほかにも、心理学・哲学・病理学・英文講読など、様々な演習・講義を受けて単位を取る必要があり、演習のほとんどは少人数で構成されているので毎週の予習・復習は欠かせません。そのために毎日図書館や院生室に遅くまで残ってレジュメの作成などを行っていました。
 1年目の講義、演習ではこれまでの教職経験を振り返り、改めて意味づけ、理論付けをすることができました。ゼミでは統計学や心理学、先行研究論文の読み方についての基礎知識を学び、そこから自分の興味のある研究を選択して修士論文作成に取り組みました。さらに、2年目は「特別支援学校に勤務する教師の体育指導に関する実践的研究」をテーマに、特別支援学校に勤務する教師の体育指導に関する意識とそれに影響する要因を明らかにすることを目的に研究に取り組みました。
 私が、本学大学院で学んだことは「理論と実践の往還」です。現職教員として実践してきたことが、大学院での講義や演習の内容と結びついたときは、本当に学び続けることの大切さが分かりました。2年目に、再び現場に戻り、子どもたちと過ごすことで、さらにその思いは強くなりました。理論を学び、子どもたちとかかわる生活指導や教科指導の実践を通して、大学院で学ぶまでは自分自身、教師本位の対応が多くあったことに気づきました。今後も、学び続けることの大切さを心に刻み込み、精進していきたいと思います。大学院の先生方のあたたかいご指導と仲間の支えや刺激によって学んだ2年間の多くの賜物を、今後の教員生活に生かしていきたいと考えています。

(Nさん)

 私は三重大学教育学部附属特別支援学校に勤務しています。附属学校園で働きながら大学院で学ぶことができる「教職実践プログラム」が始まることとなった際にお話をいただき、大学院教育学研究科に3年間の長期履修という形で学ばせていただきました。私が進学を決意したのには、自身の教員生活が30年を迎えようとしていたことが大きな理由の一つです。これまでの実践を学問的に振り返りたい、そこで培ってきた教育への思いをまとめておきたいという思いが膨らんでいたころだったのです。そのような思いを胸に、3年前に入学させていただきました。実際に、そのような時節に改めて特別支援教育に係る新たな学びを深める機会を得ることができたことや、また、自身の行ってきた教育実践を振り返ることのできる研究を行えたことは、大変有意義なことでした。
 講義の中では、私がこれまで深く興味をもち、実践において関わってきた発達障害について、更なる知見を学ばせていただきました。また、これまではなかなか目を向ける機会の少なかった様々な障害についてや、その心理、病理、人権、就労等についても学ばせていただくことで、視野を広げることができました。その学びの環境も、先生方のご講義を拝聴させていただくだけでなく、自身が準備を進め発表したり、同じ特別支援教育を志す仲間と議論を交わしたりと多様で、貴重な体験となりました。
 修士論文の作成においては、研究のテーマの決定に始まり、研究の進め方、観察の方法、そして論文のまとめ方に至るまで、手探りで研究を進める私に、終始丁寧なご指導をいただきました。そして、「特別支援学校におけるスケジュール表を用いた指導」の研究を通して、これまでの自身の教育の考えや取り組みを振り返り整理する絶好の機会にもなりました。
 在学中は、これまで通りの勤務を続けながら講義を受けたり、研究を進めたりすることとなりました。そのため、職場の方々にも授業や校務を助けていただきました。それととともに、大学院の先生方には私の勤務が終わってからの開講等、少しでも学びやすいようにとの手厚いご配慮、そしてきめ細やかで手厚いご指導をいただきました。入学当初は、私のような年齢の者が学ぶことへの不安もありましたが、今、修了して振り返ると、この年齢だからこそ、この教職経験年数だからこその深い学びがあったと思えます。そして、そのように思えるような有意義な3年間を送らせていただいた大学院の先生方には大変感謝をしております。

※現時点では教職大学院の特別支援教育分野の修了生はまだいない(1期目)ため、教育科学専攻の修了生の声を掲載しています。

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